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2015年8月7日金曜日

見なきゃ損だよ 判事ディーと人体発火怪奇事件






王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件 を見た

 

 映画館で予告編を見たときに凄く面白そうだったのだけど、中国映画なので上映館が少なくて見逃してしまった。


 300年間に渡って繁栄した中国・唐の時代。

 中国史上唯一の女帝となる則天武后の即位目前に、政府の要人たちの体が突如燃えだし、 真っ黒な灰と骸骨だけを残して焼きつくされる、というもの。

 その謎を解明するため、則天武后は、8年前に皇帝が亡くなった際にその座についた彼女を非難して、謀反の罪で投獄された判事・ディー・レンチェ(狄仁傑)を呼び戻し、捜査に当たらせる。類いまれな知性の持ち主で、武術の達人でもある彼は、相棒となる司法官・ドンライ、監視役のチンアルをしたがえて捜査を開始する。 そして、ついに人体発火の謎と、則天武后の権力の象徴として、建設中の<通天仏>に隠された秘密にたどりつく。

 

 この、ディー判事というのは、唐の時代に実在した中国の高級官僚です。

 名裁判官、名行政官だったので、 大岡越前の守みたいに講談の主人公になって、怪事件の謎解きをするのです。〈公案小説〉と呼ばれる中国独自の探偵小説です。

 オランダの外交官であったR・H・ファン・フーリックが、中国滞在中に〈公案小説〉の魅力にとりつかれ、翻訳して西洋に紹介したり、自分自身で創作したのがミステリ小説「ディー判事シリーズ」

ディー判事は、高級官僚なので、部下をいろいろ駆使して情報を集めたりするのですが、この映画でも部下になる人物が二人います。

  



 

そしてディー判事

この3人が、捜査を邪魔しに襲い来る刺客達とアクションを繰り広げるわけです。

このアクションが三人三様で、ディー判事は剣、チンアルはムチ、ドンライは斧。

ディー判事は中年の貫禄、チンアルは華やか、ドンライは若さで、立ち回りシーンはものすごくかっこいいし、アクションの構成とか殺陣とか良く考えられている。
見習えよどこかの国の時代劇は! 

 三人が一枚岩で無く、お互いを疑っていて腹の探り合いをしつつ捜査を進めるところも面白い。

 見て損は絶対しない。 

日本沈没(平成版)はなぜダメなのか



日本沈没(平成版)はなぜダメなのか?


 ストーリーが陳腐だとか、キャストがくそだとかいろいろあるが、最大の違和感は主人公達が助ける日本人が知り合いだけってことだろう。

 日本政府の要人が国民を見捨てて国外に脱出するシーンがあるが、そこで助けられるのは政府中枢のお知り合いばかりだ。
 主人公達がラストやることと同じなのである。
 箱根に向かった主人公の飲み屋の知り合いの周りで、知り合いではない無数の人はばたばたと死んでいく。
 観客は99%間違いなく、死んでいく無名の人たちの側だ。
 これで映画を楽しめるわけがない。

 日本沈没(昭和オリジナル版)では、主人公達は、縁もゆかりもない無名の人たちを助けるためにかけずりまわる。

 劇中で渡会老人と首相の問答があるが、ここに端的に表れている

 「あんたのD2計画が上手くいったとしても、助かる人間が1%増えるだけかも知れん」

 「渡会さん 、1億人の1%は、百万人です」

  頑張れば、もしかしたらその百万人に自分は入れるかも知れない、自分がダメでも、自分の家族を押し込むことができるかも知れない。

 そう思わせる台詞だ。
 名台詞だと思う。